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真の国際化をめざして・・・世界における日本の競馬

世界における日本の競馬・・・JRAが世界一のわけとは(2)

売り上げから見た各国の競馬

勝馬投票売り上げで日本に次ぐ第2位にランクされたのがオーストラリアです。ベスト8を見ても競馬大国とみなされている英米仏が4~6位で香港、韓国、アイルランドなど人口が少ない国・地域が上位にランクされています。

ひとり当たりの売上げ

では、人口ひとり当たりの勝馬投票売り上げはどうなっているのか?以下がそのランキングです。 

順位 売上げ(百万ユーロ) 人口(千人) 1人あたり売上げ(ユーロ)
1 香港 13,260 7,374 1,798
2 アイルランド 5,210 4,726 1,102
3 オーストラリア 17,746 24,126 736
4 英国 13,056 65,789 198
5 日本 24,492 127,749 192
6 フランス 9,126 64,721 141
7 韓国 5,231 50,792 103
8 米国 9,095 322,180 28

 

1位の香港は後背地の中国本土の購買力が加算されていると思われるため除外するとして、2位のアイルランドと3位のオーストラリアはそれぞれ人口約5百万と2千4百万の国ですが、ひとり当たりの購買額は日本の数倍ある、という驚くべき数字が出ています。

驚異的なアイルランドとオーストラリア

アイルランドには紀元前からの非常に歴史のある競馬文化があり、馬産でも欧州一のサラブレッド生産数を誇っています。

 

また、オーストラリアは200年を超える競馬の歴史があり、競馬場数では世界一の357場があり、馬産でも米国に次ぐ世界第2位のサラブレッド生産数を記録しています。


このように世界のベスト8の競馬大国を見ると、韓国以外はそれぞれ古い歴史と競馬文化を持っていることがわかります。韓国については後ほど述べますが、世界最大のサラブレッド馬産国である米国がひとり当たりでは日本の約7分の1、アイルランドの40分の1というのは不思議な気がします。

米国の実状

実は米国の競馬統括団体であるNTRAはまだ20年の歴史しかなく、権限もマーケティング、プロモーションばどの広報活動に限定されていて、実際の運営は各州において競馬場単位で行われています。

 

また、SPMO(secondary pari-mutuel outlets)と呼ばれる競馬場に属さない事業者が多くの売り上げを上げています。NTRAは必ずしもすべてのSPMOの売り上げを把握しているわけではなく、さらに法的に規制が及ばない海外の賭け事業者へ巨額の賭け金が流れていることも予想されます。


というわけで統計に出ている米国の勝馬投票売り上げ金額は実態を表していない、とみることができるでしょう。

世界における日本の競馬・・・JRAが世界一のわけとは

世界の競馬の仕組み

競馬は、現在世界各国で事業として行われています。元来、各国の馬文化の中で競走としてさまざまな形で行われていたものですがイギリスで18世紀ごろに近代競馬の基礎となるシステムが確立されて以来イギリス式の主にサラブレッドによるトラック競走とそれに付随する賭けの仕組みが世界各国に普及しました。

競馬のシステム

現在の競馬は、「競走システム」と「賭けシステム」を基礎として、「馬産」「メディア」などの周辺産業がそれに付随します。

各国の「競走システム」は、サラブレッド血統が共通化されている以外はそれぞれの独自システム(競走条件、免許、賞金など)で運営されています。また、「賭けシステム」を運営する母体は各国により異なります。

古くはイギリスの「ジョッキークラブ」が「競走システム」を管轄し、「賭けシステム」はブックメーカーと呼ばれる複数の私的な事業体が受け持っていたように必ずしも「競走システム」を管轄する主催者が「賭けシステム」を独占している訳ではありませんでした。

また米国は州単位で法律が異なり、「競走システム」は競馬場毎に運営されていますが、「賭けシステム」はOTBと呼ばれる日本で言うところの場外馬券売場が各所にあり、1990年代から国内の競馬場だけでなく、香港やオーストラリアの競馬の勝馬投票券も発売し、レースのビデオ実況も行っています。

「賭けシステム」の配当分配方式ではイギリス式のブックメーカー方式がイギリス、アイルランド、オーストラリアなどで盛んですが、大部分の国は集中管理で大規模化が可能なパリミューチュエル方式(トータリゼータ方式)を採用しています。

 勝馬投票売上げ統計

競馬の規模を判断する基準としては、「競馬場の数」、「競走馬生産数」、「勝馬投票売上げ」などがありますが、最もわかりやすいのが「勝馬投票売上げ」でしょう。

国別の勝馬投票売上げを比較すると以下のようになります。
2017年(単位:億ユーロ)

  1. 日本 245 (JRA地方競馬の合計)
  2. オーストラリア 177 (ブックメーカー+トータリゼータ)
  3. 香港 132
  4. イギリス 130 (ブックメーカー+トータリゼータ)
  5. フランス 91
  6. 米国 91
  7. 韓国 52
  8. アイルランド 51 (ブックメーカー+トータリゼータ)

意外なことがいくつかありますが、それは後述するとして、日本のダントツは間違いないところで、地方競馬を除いたJRA単体としても香港の1.5倍ほどであり、「世界最大の競馬運営団体」といって間違いはないでしょう。
(イギリス、アイルランドでは大部分が、オーストラリアでは約46%がブックメーカーの売上げ、その他の国は、トータリゼータのみの数字)

出典:本統計は、国際競馬統轄機関連盟(IFHA)が、その加盟国の競馬統轄団体から収集した年次統計調査に基づいています。

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