Eclip’s blog

真の国際化をめざして・・・世界における日本の競馬

世界における日本の競馬・・・JRAが世界一のわけとは(3)

各国の購買力は?

前回まででアイルランド、オーストラリアが非常に高い勝馬投票購買力を記録していることがわかりましたが、「なぜそれほど馬券を買えるのか?」という疑問は解消されていません。

そこで、各国の競馬ファンの馬券購買力を推定するために、1人あたりの名目GDPの数値と比較してみましょう。

 

順位 1人あたり売上げ(ユーロ) 1人あたり名目GDP($) 売上げ/名目GDP
1 香港 1,798 48,517 4.23%
2 アイルランド 1,102 76,099 1.65%
3 オーストラリア 736 56,352 1.49%
4 日本 192 39,306 0.56%
5 英国 198 42,558 0.53%
6 フランス 141 42,878 0.37%
7 韓国 103 31,346 0.37%
8 米国 28 62,606 0.05%

 

統計に疑問のある1位の香港と最下位の米国を除くと2つのグループに分かれます。アイルランド、オーストラリアの売上げ/名目GDPは日本、英国、フランス、韓国のグループのそれの約3倍の数字になっています。

これらの数字からは、香港も含め、売上げは単にその国家・地域の住民からだけでなく、他の地域からの越境購買が相当量あると考えざるをえません。

アイルランドと英国は何が違うのか?

ブレグジットの大きな障害になっているように、アイルランドと英国は長い国境を接しています。現在のところ自由に往来ができ、そのため英国領北アイルランドアイルランドは交流が盛んで、文化的にも多くの共通点があります。

競馬のレース体系もほぼ共通であり、英国のクラッシックレースには対応するアイルランドの同名レースが存在するくらいです。

では、なぜ1人あたり勝馬投票売上げにこれほど差があるのでしょうか?

各国で行われている大レース

その謎を解く前に、世界的な競馬の統轄機構である「IFHA(国際競馬統括機関連盟)」が認定している「世界のGroup/Gradeレース」のリストから、国別に何レースが認定されているかを見てみましょう。(韓国はPart2に所属しているため、国際的認定レースがありません)

 

https://www.tjcis.com/pdf/icsc19/2019_EntireBook.pdf

 

順位 G1レース数 G2レース数 G3レース数 Gレース総数
1 米国 103 130 214 447
2 オーストラリア 74 93 153 320
3 英国 36 49 74 159
4 日本 25 35 69 129
5 フランス 28 27 61 116
6 アイルランド 13 15 44 72
7 香港 12 7 12 31

 

 米国とオーストラリアが、非常に多く、逆に香港が少なくなっています。これは競馬場数にも関係していて、香港には2カ所しか競馬場がないため、この程度になっています。

これで英国とアイルランドを比較すると英国にはアイルランドの2倍強のGレースがあることがわかります。

 勝馬投票売上げとGレース数との相関関係を見るために、数字自体に意味はないですが売上げをGレース数で割った数字を比較してみます。

 

順位 売上げ(百万ユーロ) Gレース総数 売り上げ/Gレース数
1 香港 13,260 31 428
2 日本 24,492 129 190
3 英国 13,056 159 82
4 フランス 9,126 116 79
5 アイルランド 5,210 72 72
6 オーストラリア 17,746 320 55
7 米国 9,095 447 20

 

これで見ると欧州の3カ国はほぼ同程度の数字になっていることがわかります。すなわち、「欧州では、勝馬投票売上げはGレース数にほぼ比例する」と考えて良いことがわかります。

 

アイルランドと英国の競馬に国境はない!

ここで先ほどの謎に戻ると、EU内であり地続きの両国の間には、「競走システム」だけでなく「賭けシステム」においても融合が進んでおり、アイルランドで計上されている勝馬投票売上げの相当部分が英国からのものである、と考えると説明が付くのではないでしょうか?