歴史あるオーストラリアの競馬
伝統ある競馬といえば欧米を思い浮かべますが、実は200年以上の歴史を持っているのがオーストラリアの競馬です。日本より50年ほど早く、1810年10月15日に英国人の総督によって、シドニーで初のオーストラリアの公式競馬が開催されました。
世界第2位の馬産大国
馬産も盛んで、サラブレッドの生産頭数は、世界で第2位の1万3千頭以上で日本の約2倍の規模を誇っています。
以下は、国際競馬統轄機関連盟(IFHA)からの統計情報です。
順位 | 国 | 種牡馬数 | 繁殖牝馬数 | 生産頭数2015年 | 生産頭数2016年 | 生産頭数2017年 |
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1 | 米国 | 1,570 | 32,135 | 20,600 | 20,850 | 20,900 |
2 | オーストラリア | 564 | 19,469 | 12,638 | 12,653 | 13,823 |
3 | アイルランド | 240 | 12,905 | 8,780 | 9,381 | 9,689 |
4 | アルゼンチン | 774 | 12,950 | 7,454 | 7,405 | 7,586 |
5 | 日本 | 242 | 9,632 | 6,844 | 6,905 | 7,079 |
6 | フランス | 296 | 8,374 | 4,874 | 5,305 | 5,460 |
7 | 英国 | 145 | 7,403 | 4,569 | 4,663 | 4,674 |
世界第2位の勝馬投票売上
勝馬投票の売上でも、オーストラリアは日本に次いで世界第2位の規模を誇っています。特徴的なのは、英国式の伝統でブックメーカーが公認されており、パリミューチュエル方式の売り上げとほぼ同規模を売り上げています。
そのためか、パリミューチュエル方式の控除率が低く、世界でもアイルランドに次ぐ86%の高い払戻率を達成しています。
オーストラリア年別勝馬投票売上げ(単位百万ユーロ)
年 | PARIMUTUEL | BOOKMAKERS |
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2010 | 7,225 | 3,990 |
2011 | 8,028 | 3,280 |
2012 | 8,074 | 3,225 |
2013 | 7,737 | 3,662 |
2014 | 9,584 | 5,016 |
2015 | 9,554 | 4,998 |
2016 | 10,000 | 6,105 |
2017 | 9,596 | 7,334 |
興味深いのは、パリミューチュエル方式の売上げは漸増傾向であるのに対し、ブックメーカーの売上げがここ5年ほど急増していることです。この原因は、主催者の高額賞金レース新設などの経営努力もありますが、近年のインターネット投票とサイマルキャスト放送に加え、スマートホンの普及などが要因となっていると思われます。
日本の売上げは、2010年が25,435(百万ユーロ)、2017年が24,492(百万ユーロ)で微減となっていることを考えると、オーストラリアのみならず、ブックメーカー主要国であるアイルランド、英国などがブックメーカー売上げをいずれも同期間で5割以上増やしている事実は一考に値すると考えます。
さらに、パリミューチュエル方式を採用している香港の同期間での売上げは1.72倍となっており、次回はその謎?に迫ります。